大阪高等裁判所 昭和24年(を)3137号 判決 1949年11月25日
被告人
田中庄作
主文
原判決を破棄する。
本件を大津簡易裁判所に差し戻す。
理由
檢察官折田信長控訴趣意第一点について。
原判決によれば原審は所論のような住居侵入窃盜罪の認定事実についてその摘示の各法條を適用し昭和二十四年八月四日被告人に対し懲役八月の言渡をしたことは明白である。ところが、その言渡後大津区檢察廳檢事が入手して当裁判所に提出された指紋対照票及前科取調回答書によつて被告人に所論摘示の二個の前科と受刑事実があることが明かとなつてきたのである。そうすると、原判決は累犯加重をしなかつた違法があると共に、量刑上考慮すべき前科のないものとして不当に軽く科刑したと言う非難を免れない。論旨はその理由がある。